大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和38(オ)945 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人貝出武夫の上告理由第一点について。

原判決挙示の証拠ならびにこれによつて認めた事実に徴すれば、訴外D株式会社

代表者Eは、訴外Fから本件約束手形の交付を受ける際、右手形はFにおいて割引

依頼を受けたが割り引くことができず、これを依頼人に返還しなければならないも

のであることを知らなかつたとの趣旨の認定は是認できる。所論は、原審が適法に

した事実の認定を非難するか、または、前示認定に反する事実に立脚して手形法一

七条但書違背をいうものであり、採用できない。

同第二点について。

原審が、本件手形は、FがD株式会社に支払うべき判示別手形二通の割引金の代

りとして同会社に譲渡したものである旨認定したことは所論のとおりである。しか

し、たとえ右別手形の額面金額合計が二〇万円であつて、その割引金としてFがD

株式会社に交付すべき金額と比べると本件手形金額がそれを上廻り、所論差額を生

ずる関係になるとしても、前示手形譲渡の当事者でない上告人が、FとD株式会社

間の上記関係を理由にして、被上告人の本件手形金請求を拒むことはできないとい

わなければならない。叙上と異なる見解に立つて原判決の審理不尽、理由不備をい

う所論は採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 横 田 正 俊

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裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 柏 原 語 六

裁判官 田 中 二 郎

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